「日本人拉致、交渉するな」

「日本人拉致、交渉するな」=金正恩氏が「特別指示」か―韓国家族会代表

4/3(火) 14:30配信 時事通信

 【ソウル時事】韓国の拉致被害者家族でつくる「拉北者家族会」の崔成竜代表は3日までに、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が日本人拉致問題について「取り上げず、対話せず、交渉もするな」という「特別な指示」を関連部署に出したという情報を明らかにした。

 「昨年、平壌の消息筋から聞いた話だ」と説明した。電話インタビューに応じた。

 崔氏は「そのような指示を出したとすれば、拉致問題は安倍晋三首相が(金正恩氏との)首脳同士の対話で解決しなければならないだろう」と述べ、進展には首脳会談の開催が不可欠だという見方を示した。

 安倍首相は先に、韓国の文在寅大統領との電話会談で、南北首脳会談で拉致問題を提起するよう要請。また、17日からの訪米では、5月末までに想定される米朝首脳会談で日本人拉致問題の解決を働き掛けるよう、トランプ大統領に直接求める方針。その一方で、日本政府は安倍首相と金正恩氏との首脳会談も模索している。

 崔氏は今月27日の南北首脳会談について、「(韓国の)拉致問題を正式には取り上げないだろうとみており、深く憂慮している」と述べた。また、「これまで韓国政府は、拉致問題について『北朝鮮側に不都合だ』という理由で離散家族問題の枠組みで扱ってきた」と指摘。「離散家族ではないので、拉致問題として正式に提起し、生存者の送還など解決を目指すべきだ」と強調した。さらに、日本の拉致被害者家族らと共同声明を出すなど、連携強化を図りたいという考えを示した。 

日朝 電撃訪朝でも解決遠く 2018/3/31付日本経済新聞 朝刊

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2880767030032018M10800/

 日本政府は北朝鮮との間で核・ミサイル・日本人拉致問題を包括的に解決し、国交正常化をめざす立場だ。根拠となるのは2002年9月に北朝鮮を電撃訪問した小泉純一郎首相が、金正日総書記と署名した日朝平壌宣言だ。

 金正日氏は日本人拉致を認めて謝罪。5人の拉致被害者らの帰国に結びついた。だが北朝鮮側が表明した「8人死亡」を裏付ける客観的証拠は示されず、日本側はその後も調査を求め続けたが「拉致問題は解決済み」と主張する北朝鮮との溝は埋まらなかった。

 第2次安倍政権の発足後、14年5月のストックホルム合意で、拉致被害者や行方不明者を含む「全ての日本人」に関する包括的な調査を約束させた。北朝鮮は金正恩第1書記(当時)の直轄組織、国家安全保衛部の幹部らが責任者に就く特別調査委員会を設けた。

 だが「1年程度」とされた調査報告は一向にされなかった。4回目核実験と弾道ミサイル発射を受け、日本が16年2月に独自制裁を強化すると、北朝鮮は調査委の解体と調査の全面中止を表明した。

 ここにきて、日本政府は「日朝」の対話再開も模索し始めた。安倍晋三首相は南北や米朝の首脳会談で拉致問題を取り上げるよう要請する考えだ。

(政治部 恩地洋介)